ヘタリアなどの作者でおなじみ、日丸屋秀和さんの『ちびさんデイト』を読みました。
前々から興味はあったんですが、何となく手を出せずにいた本作、やっと買えた。
どうして気になっていたかと言うと…ヘタリアとか、本家サイト様に掲載されている
漫画って、いわば「求められているもの」じゃないですか。それに対して、世間の
評価を見る限り、この『ちびさんデイト』は、明らかに「求められていないもの」だなと。
人気絶頂の中で、日丸屋さんがこの「求められていないもの」をどう描いてるのか、
日丸屋さんの別の引き出しを見てみたかったって言うのが、あるんですね。
で、読んでみて。
非常に瑞々しいというか。不思議な読後感がします。
他の代表作に比べて、大きなインパクトは無いのに、繰り返し読みたくなる。
ほのぼのしているけど、ちょっと切ないというか、多かれ少なかれ、大勢の人が
経験する、ちょっと苦い気持ちを素直に描いている感じ。
個人的にぐっと来たのは、故郷の同級生から手紙と写真が送られてきた話。
あれって、日丸屋さんの経験から来た話じゃないだろうか。なんとなく共感できる。
他にも、芸術を志している人達が出てきて、その人達にまつわる、将来の夢とか、
気持ちとか、そんな色々なものが描かれているので、イラストとか物語作ってる自分には
いっぱい感じ入るものがありました。絵であれ、音楽であれ、小説であれ、自分の好きな
ものを表現したい人達に対する応援歌の様な漫画です。
絵は確かにちょっと雑だけど、今までの日丸屋さんに無い、一風変わった作風なので、
続きも読んでみたい。期待。
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